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理工系学部入試の「女子枠」名古屋大学や富山大学で実施

2022年7月19日

富山大学は、7月15日の記者会見で「工学部工学科電気電子工学コース,知能情報工学コース及び機械工学コースの3コースで2023(令和5)年度入学者選抜から、女子を対象とする学校推薦型選抜として『女子特別推薦』(募集人員8名)を実施する」と発表しました。

大学はその背景について「上記の工学科3コースは、女子学生の割合がいずれも10%未満と極めて少なく、多様な学生を受け入れるとともに、社会からの理工系女性人材育成の要請に応えるため、女子特別推薦を実施する」としています。

名古屋大学では、昨年11月に旧帝大として初めて「2023(令和5)年度入学者選抜から工学部電気電子情報工学科及びエネルギー理工学科の学校推薦型選抜で、定員の半数(12名中6名)を女子枠で募集」と発表しています。

ところで、国立大学の理工系学部入試における「女子枠」は富山大学や名古屋大学が初めてではありません。

名古屋工業大学は、1994年度入試から電気・機械工学科(2015年度まで機械工学科)に女性対象の推薦制度を設けています。かつては1割に満たなかった同大学の女子学生の割合は、近年は2割近くになったといいます。

一方、九州大学では、2012年度入試で理学部数学科の一般選抜後期で女子枠を導入する予定でしたが、「男性差別」と抗議を受けて取り止めになったという経緯があります。

私立大学でも、「女子枠」を設けている大学は複数あるようです。既に女子対象の学校推薦型選抜を工学部で実施している芝浦工業大学は2023年度から全学部で女子対象の学校推薦型選抜を導入します。

男女共同参画白書 令和3年版(内閣府)によれば、女子の大学進学率は長期的に上昇傾向にあるものの専攻分野には偏りがあり、特に工学部は全体の15.7%、理学部は27.8%と低く、理工系の女子受験生の獲得は相変わらずの課題となっています。

今後、各大学の入試における「女子枠」は拡大していくのか、気になるところです。

 

 

関連ホームページ情報

・令和5年度入学者選抜(特別選抜)における工学部女子特別推薦の実施について(富山大学/PDF)

・令和5年度以降の工学部電気電子情報工学科およびエネルギー理工学科における学校推薦型選抜の変更について(名古屋大学/PDF)

・第1節 教育をめぐる状況(男女共同参画白書 令和3年版/PDF)

・社会の要請にこたえ、大学の生き残り意識「女子枠」設けて29年、名古屋工業大の成果(朝日新聞)

 


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