(特集)個性を求める大学AO入試
現在の情報(下記をご参照ください)
「大学の入試概要」(高校生のための大学進学ガイド)をご参照ください。
国公立大学の特徴と私立大学の特徴それぞれでAO入試の説明をしています。
現在の登録校は535大学(2017年1月31日時点)
大学の入試形態は多様な時代を迎え、その中でもここ15年ほどの間にすっかり定着したのがAO入試(アドミッションズ・オフィス入試)です。
このAO入試を初めて実施したのは慶應義塾大学の総合政策学部と環境情報学部で1990年のことでした。1999年度のAO入試導入校は私立13大学。以降、導入校が増え続け最近のデータによると私立大学では8割弱、国公立大学でも5割近くの大学が導入しています。
上記のAO入試登録校は「日本の大学」ホームページでご案内する大学AO入試情報掲載校数です。
学校から寄せられた情報、並びに「日本の大学」調査をもとに紹介しています。日本の全大学のものではありません。ご注意ください。
上記イラスト出典 free-illustrations.gatag.net
AO入試(アドミッションズ・オフィス入試)とは
AO入試は自己推薦などに似た入試形態です。
学力では測れない個性豊かな人材を求めることを目的としていて、学力よりも目的意識や熱意・意欲を重視しています。入試までの一般的な流れは、エントリーシート(志望理由)を提出したのち正式に出願するといったものです。
選考方法は「書類審査+面接」が最も多く、オープンキャンパスで事前面談を行ったり、セミナー受講、レポート作成、研究発表などを合わせて実施する場合もあります。出願・選考方法、合格発表時期は大学によってさまざまです。
「どうしてもこの大学で学びたい」といった受験生の熱意が届いて、従来の学力選考では諦めなければならなかった大学に入学が許可されたり、能力や適性に合った大学が選べるなど、メリットはたくさんあります。
ただし、「学力を問わないから」という安易な理由でこの方式を選んでしまうと、大学の授業についていけなかったり、入学したものの学びたいことがなかったといったケースも考えられますから、将来まで見据えた計画を立てて入試に望むことが必要です。
なぜ「AO入試」と呼ばれるのですか
AO入試は、もともとアメリカで生まれた入試方法で、本来は選考の権限を持つ「アドミッションズ・オフィス」という機関が行う、経費削減と効率性を目的とした入試といわれています。
AOとはAdmissions Officeの頭文字を取ったものです。
一方、日本では、現時点で明確な定義がなく、各大学が独自のやり方で行っているというのが実情です。 AO入試は、学校長の推薦を必要とせず、書類審査、面接、小論文などによって受験生の能力・適性、目的意識、入学後の学習に対する意欲などを判定する、学力試験にかたよらない新しい入試方法として位置づけられています。
AO入試の特徴。推薦入試との違いは?
AO入試は学校長の推薦を必要とせず、大学が示す出願条件を満たせば、だれでも応募できる「自己推薦制」色の強い入試です。
選考では面接や面談が重視されます。また、模擬授業、グループ・ディスカッションといった独自の選考が行われるなど、選考方法に従来の推薦入試にはない創意工夫がなされています。
なお、実態はAO入試ですが、名称を「コミュニケーション入試」あるいは「自己アピール入試」として入試を行っている大学もあります。
AO入試のタイプ
AO入試を大別すると次の3つのタイプが一般的です。
■ 予備面接タイプ(対話型)
正式の出願前に1~2回の予備面接やインタビューを行うもので、AO入試の主流になっています。 エントリー(AO入試への登録)や面談は大学主催のオープンキャンパスなどで行われるのが通常です。エントリーの際は、志望理由や自己アピールを大学指定の「エントリーシート」に記入して提出することが多いようです。 大学と受験生双方の合意が大事にされ、学力面より受験生の入学意志の確認が重視されます。
■ 自己アピールタイプ
学業・資格・作品・課外活動などで自分をアピールするものです。高校時代の生徒会活動、文化・芸術・科学技術に関する活動、スポーツ活動、社会・ボランティア活動、各種資格取得などが対象になります。
■ 学力重視タイプ(選抜型)
慶應義塾大学、早稲田大学、明治大学、同志社大学など難関校に多いタイプ。長い論文を課したり、出願時に2000~3000字程度の志望理由書の提出を求める場合もあります。それをもとに面接を行い、受験生の人間性から学力に至るまで判定。センター入試や学力試験を行う学校もあります。
AO入試の今後
AO入試は受験生数の自然減の流れの中で、「高校からの推薦がいらない」「従来にはない選考手法を取る」「多様な入試を実現する」「受験生の個性を掘り起こす」などの特徴を持つ入試として定着してきました。 大学側にとっては優秀な学生を独自の選考方法で募集できるメリットは大きく、実施する大学が増えています。 一方、入学してきた学生の基礎学力不足などから、AO入試を取りやめる大学も出てきています。今後は、現在よりも学力を重視する傾向になりそうです。
AO入試に関するサイト訪問
文部科学省では、国公立大学の入学者選抜について、毎年度、各大学が7月末までに公表した入学者選抜要項等を基にその概要を取りまとめ、公表しています。
リンクは平成28年度入学者選抜の概要でAO入試実施大学数(学部数)が紹介されています。